2017年10月7日土曜日

ごんぎつね



これは、わたしが小さいときに、村の茂兵というおじいさんからきいたお話です。


むかしは、わたしたちの村のちかくの、中山というところに小さなお城があって、中山さまというおとのさまがおられたそうです。


その中山から、すこしはなれた山の中に、「ごんぎつね」というきつねがいました。


ごんは、ひとりぼっちの小ぎつねで、しだのいっぱいしげった森の中に穴をほって住んでいました。


そして、夜でも昼でも、あたりの村へ出ていって、いたずらばかりしました。





<新美南吉・作「ごんぎつね」より>



九谷焼小皿  stock : 6  (2枚にカケ有)
size :  13cm 

萩と野菊の陰から駆け出そうとするきつねが描かれた九谷焼。

今からいたずらをしに出かけるところでしょうか。

物語を感じさせてくれる、細やかな絵つけの美しさに惚れ惚れします。 





そういえば―
もう15年ほど前のことですが、大文字山にハイキングをして、すっかり帰り道が暗くなってしまった時のこと。
急ぎ足で山道を下る私に、わき水を汲みに来た地元のおばあちゃんが言いました。
「こんな暗い道あるいとったら、キツネが化かしにくるえ。はよかえりんさい」と。 


自然や動物と、人間の距離がもっと近かった時代って、そんなに昔のことではないのだなあと感慨深く思ったのでした。 





そして、うちの子も今「狸は変身することができる!」と信じています(笑)。