2015年5月16日土曜日

鍋つかみ



「古道具屋さん」を開店してから、2ヶ月が過ぎました。
お客様との何気ない会話のひとつひとつが楽しくて、勉強させていただくこともいっぱいです。  

観光地ゆえ遠方からのお客様も多くいらっしゃって、
なんだか自分まで遠くの地へ旅しているような気分になったり、
2度目に訪問してくださるお客様もいらっしゃったり、
「がんばってね」とお声がけいただくこともあったり。
嬉しい出会いに恵まれております。
本当にありがとうございます。


2年前、ある方にかけていただいた言葉がなければ、
古道具屋をはじめることなど思いつきもしなかったはずなのですが、
人生何が転機になるかわからないものですね。
いろんなご縁が重なって、今こうして大原でお店をさせていただいていることが有り難いです。




古道具屋をすると決めた約2年より、仕入れの準備などは進めていたのですが、
同時に古物のリメイク品も取り扱いたいと思ってきました。

椅子の張り替えに帯地を使ってみたり、籐の手提げ籠の補修に藍染め布を使ってみたり、試行錯誤の日々です。

いくつかあたためている案のなかで、ようやくひとつ形になってきたものがありますので、今日はその商品をご紹介。

「酒袋で作った鍋つかみ」です。

酒袋とはその名のとおり、お酒を絞るときにつかった丈夫な柿渋染めの袋。
使い込まれて行くうちに色合いは深くなり、ムラや補修跡などの味が出てきます。

酒袋をベースにして、真鍮のカーテン吊り部品や革座布団の端材などの古物も組み合わせて、ひとつひとつ手縫いで作りました。 


デザインは、右利きの方が右手でポットなどを持ちやすい形です。
手前の赤いバンド部分に右手の人差し指〜小指をいれて安定させ、真ん中で折り目をつけて、熱い取手などを握ります。
革のついている面を下にすれば、鍋敷きとしてもお使いいただけます。 


新しくリメイクされてはいるものの、既に10年選手のような貫禄。

お店で見つけたら、ぜひお手にとってみてくださいませ。