2015年2月28日土曜日

店舗建物のおはなし




ツキヒホシの店舗になる建物は、半世紀ほど前に「うどん屋」として開店し、繁盛していたお店でした。


すぐ横には「落合の滝」があり、樹齢を重ねたエノキと紅葉が枝をひろげています。
木漏れ日が降りそそぐ小さな橋があり、
滝をのぞきこんでは魚の影を見つけてよろこぶ子どもたちの声が聞こえます。
佇んでいるだけで気持ちが穏やかになるような、そんな素敵な場所です。




とはいえ、建物は閉店してから20年以上が経ち、痛んでいる箇所だらけ。
それらをひとつずつ手直ししてきました。




砂壁と天井には漆喰を。
やわらかに光を受けて、明るい雰囲気になりました。 
漆喰は、成分と原材料産地をすべて公開されている素敵な漆喰メーカー・辻建材さんの「ロハスウォール」を使わせていただきました。



建物内部の木部には、柿渋を何度も塗り、仕上げに亜麻仁油を。 
艶が出て良い色合いになってきました。 




見事なまでに苔が覆っていた庇は取り除き、新たなものを付け直しました。
大工さんの友人に教えてもらいながら、ヒノキを使って「大和張り」で。
雨風がしのぎやすくなり、外観もちょっと店舗らしくなりました。








春らしい日差しだった先日は、外壁の漆喰を塗り直し。
しばらく庇が無かった間に、雨風があたってすっかり汚れてしまったのが気になっていたのです。
漆喰塗りは何度やっても「納得の出来!」とはならないのですが、自分の手で造り出したコテ跡は愛おしいものです。




この1年半、
初めてのことだらけの左官仕事や大工のまねごとに挑戦しましたが、本当に多くの方に助けていただきました。
旧知の友人たちに手伝ってもらい、新しいご縁をいただいた方々にも大変お世話になりました。心より感謝しています。

おかげさまで、この地がふたたびお客様を迎える場所に戻る日が近づいてきました。




そして気がつけば、力仕事ですっかり太くなった指から抜けなくなった結婚指輪。

やっとの思いで外したものの、、、これはどうしたものでしょうか。

指輪が無いことに連れ合いが気づくのかどうか、ちょっとヒヤヒヤしている最近です。